診断

  • 2008/07/12(土) 21:06:10

「どうですか?」 穏やかな先生の言葉。


「今日は私の方が、どうですか?とお聞きする方じゃないでしょうか?」 じらすなよ。ちなみに私は医者の「どうしました?」「どうですか?」の出だしが苦手。大抵「話が弾んだ」といった手ごたえがないから。


「いやー。 最近どうしてたん?っていうつもりなんやけどー」


「あー。 やー。 もう、いかにも私らしい対人トラブルの真っ最中ですw」


「あらまあ・・・・」


「もうねー。何で最後にはこうなってまうんやろなーて。溜めて溜めて溜めて・・・・結局最後は放り出すかたちで退去するんですよねー」


「その辺りの事もね・・・・今回はっきり出たのよ」


「はっきり正常ですと?」


「ううん。 あのね、ひとつずつ説明していくわね」

まず今回の発達検査というのは、要するに知能検査なのね。IQって聞いた事がある?・・・・ここで記録用紙を提示される。


かえるさんの場合はトータルIQは103。IQは100が標準だからホント普通の状態よね。


でね。知能検査には言語性検査と動作性検査の二つがあって、その差異の状態を見る事である事がわかると言われているのね。


そのある事っていうのは、もう少し先で説明するね。


先に言語性と動作性のそれぞれを詳しく見ていきましょう。


まずは言語性ね。かえるさんは数唱と類似課題は完璧だったよね。140がついてる。IQ140といえば天才レベルよ。


その一方で算数と理解課題は60がついてる。IQ60といえば日常生活を維持する上で介助が必要だといわれているレベルなの。


かえるさんは偏差値って聞いた事がある?あれは50が基準なのね。偏差値70といえば進学校合格は間違いなし!と言われるだろうし、偏差値40といえば行くところないよ?と言われるだろうね。つまりね、各教科の偏差値で20も30も開きがあるといえば、それはやっぱり普通の状態とはいえないのね。


それと同じ事がIQにも当てはまるの。IQに関しても各項目の差異が80も離れているなんて・・・・なんていうのかなあ、相当生活しづらいはずなのよ。


次に動作性に移るわね。ここでも符号はパーフェクトだったみたいね。140がついてる。かえるさんはどちらかというと耳で聞いてよりも、目で見て対象を識別する能力が高いみたいね。


検査をされた心理士の方が言うにはね、かえるさんは聞かれた言葉に対して自分独自の解釈をしていて、それが微妙に聞かれている意味とかけ離れているから、落としている点数がたくさん見られたんだって。


例えばね、絵画配列課題。バラバラの絵カードを並べてお話を作って説明していく。これなんか配列は完璧なのに、その解釈がなんとも独特で異質だったそうなのね。


ここで私が異を唱える。「えー。私、あの課題は自分でも自信があったんですよー?」


「うん。だから配列は合ってたって・・・・」


「配列だけじゃないですー。お話の展開もすごくスムーズにいったというか、自分ではかなりいい出来だったと思うんですけどねー」


「・・・・・・・・。続けていいかしら?」


「はい」


「積み木模様と組み合わせ課題の際に独り言を連発していたってなってるんだけど?」


「独り言くらい出ると思いますけどー」


「鼻歌も出てたって」


「えー!!そんなん覚えがないですー」


「象の波形の組み合わせに時間がかかってて、おそらくわかった瞬間なんでしょうね。おもむろにぞうさんの歌を歌って、うんうん頷いていたって」


「あー。そう言われればあったかもしれない。あれ、私は右手の波形だと思っていたんです。だからなかなか手にならないなってあせってて。そしたら見方を変えたら象じゃないですか?わかった瞬間もううれしくて!それで・・・・」


「あのね、非難しているんじゃないのよ。心理士さんはお仕事だから人の色々な反応を見てもなんとも思わない。でも一般の人だったらどうかしら?ましてかえるさんは人からどう見られるか、とても気にされている方でしょう?と仰ってたのよ。人からの印象が気になるそぶりを見せるわりにやってる事はこんな(独り言、鼻歌)で、そこのところは気にならないんだ?と。何かズレてるというか、自分が集中している時には見えるべき事が見えてない状態だったんだろうね」


「・・・・・・・・・・(よう見とるなあー)」


以上の事を踏まえて、見えてくるものがあるよね?能力の偏り、独自の解釈、過剰集中・・・・こだわりが強い・・・・いわゆる自閉的傾向の見られる広汎性発達障害と診断します。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


「お子さんの結果が出たら、いっぺん比較してみようね?」


「はい。それで先生。あのう・・・・もう少し詳しく分類すると・・・・例えばアスペルガーやADHDとかそういう風に分類するとどうなりますか?」


「うん。そこでさっきの保留にした言語性検査と動作性検査の差異の状態の話が出てくるのね。アスペルガーの人というのはこの二つの差異が大きいの。かえるさんの場合は言語性が99、動作性が107・・・・大きな差異が見られないことから考えてもアスペルガーとは呼べない域だと思うわ」


「私ね。自分が子どもに暴力を振るったり、カッとなったら手がつけられない部分が、ADHDの人には悪いですけど、その衝動性が自分はADHDと違うのかなあ?って思ってるんですけどー」


「うん。それはね二次障害から来る人格障害が顔を出してるんじゃないの?だからあなたの場合は発達障害と人格障害、この二つは切り離せないね。だから診断名を書くのであれば並べて書かないといけないだろうね」


「そういえば発達障害と人格障害って困った時に出てくる症状は似てますよね」


「そうね。要は発達障害っていうのは対人関係における認知の歪みでしょ?人格障害にもその部分はあるものね」


「はあー」


対人関係における認知の歪みか・・・・プロはひと言でうまくまとめてきはるのう。

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する