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「風に舞いあがるビニールシート 」
- 2008/05/09(金) 19:20:40
単行本を図書館で借りました。
まず表紙が綺麗、モネの水彩画みたい(に私には見える。実際は油絵なんでしょうけど^^;)・・・好みです。
短編集で、最初の「器を探して」の桃のプディングのつかみにノックアウトです。こういう婉曲な食べ物の描写、大好きです^^(ちなみに性の描写も婉曲なのが好みです、って聞いてないからw)
夢のような形容詞が散りばめられた洋菓子の描写に比べ、器を探す弥生ちゃん(?)を取り巻く登場人物の俗物ぶりの生々しい事w
その対比もよかったです。
全六編の二番目のお話「犬の散歩」は、なりゆきで捨て犬里親ボランティアに手を染めていく気まま主婦の恵理子さんのご本人も意外であったろう芯の強さと、保健所内の悲劇の描写が印象的でした。終末医療に携わる病院の現実を思い起こさせました。
「私の中にいつもあるのは、自分はこの犬たちの一割を救っているんだって思いじゃなくて、ここにいる九割を見捨ててるんだって思いなの」 彼女の同級生でボランティア仲間の尚美さんの言葉です。
重いなあ^^;
そんなテーマのシメが、勤め先のスナックで酔狂なバブル客が「犬のエサ代にしろ」と三万円のチップを恵理子さんに手渡すのですが、ママと相談した挙句、犬のエサ代ではなく家族で焼肉を食べに行くっていうのもなんだかいいです。
犬のエサ大は自分で稼ぐよと。
専業主婦だった恵理子さんは、自分が始めた里親ボランティアで自腹分のお金をご主人のお給料から捻出するのに抵抗を感じてスナック勤めを始めた人です。ちなみに夜の仕事を選択したのは犬の散歩を優先するためだそうです。
これだけ徹底している人って、小説とはいえ頭が下がります。
私だったらどうするかなあ・・・・・そこまで意地を突き通せるかなあ。
申し訳程度に三缶くらいドッグフード買って、後は散財するのかしらね。
中途半端だわw
何かを選択する事は、同時に何かを切り離す事なのかしら。
全部持っておきたい私は、贅肉もタップリ持っていま〜す^^;
あ、表題の「風に舞いあがるビニールシート」もふれておきましょうか。
事故で愛する人を失う悲しみって、想像もつかないです。
ある程度、結末が予期された病死とは違うのだという事くらいはわかります。
だけど病死もつらいです。
「この人は死ぬ」と、相手の枕元に死神の刃を垣間見ながら取り繕うのもつらいです。
どう関わっても死はつらいです。
残していく人への思いを変える事の出来ない先立つ方がつらいのか、先立つ人に思いを伝え切れない残された方がつらいのか
いまだにわかりません。
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